肩の症状
五十肩
中高年に多く見られる運動器系(整形外科的)疾患の一つ。
肩関節の運動障害と、肩・首筋・上腕などの鈍痛を愁訴とするものの通称である。
1960年代までは四十肩と呼ぶのが一般的であったが、現在は「五十肩」と呼ぶことが多い。
最初、肩関節付近に鈍痛がおこり、腕の可動範囲の制限が起こる。
次第に痛みは鋭いものになり、急に腕を動かす場合などに激痛が走るようになる。
痛みのために、腕を直角以上に上げられなくなったり、後ろへはほとんど動かせないなどの運動障害が起こる。
生活にも支障をきすようになり、重症化すると、洗髪、髪をとかす、歯磨き、炊事、洗濯物を干す、
電車のつり革につかまる、洋服を着る、寝返りを打つ、排便後の尻の始末などが不自由となり、日常生活に大きな困難をもたらす場合がある。
軽症で済むか重症化するかの仕組みもはっきりしていない。
痛みは片方の肩だけの場合と、一方の肩が発症してしばらく経つともう片方の肩にも発症してしまう場合とがあるが、
片方の肩が発症してしまうともう一方も発症する確率が高いようで、これを防止することは難しい。
また、痛みのピーク時には肩の痛みに加えて、腕全体にだるさや痺れがあることも。
常に腕をさすっていないと我慢できない、と訴える患者もいる。
初期の症状が始まってからピークを迎えるまで数ヶ月を要し、ピークは数週間続き次第に和らいでくる。
痛みのレベルにもよるが、鋭い痛みが感じられなくなるまでに半年前後、さらにボールなど物を投げられるようになるまでには1年前後かかる。
腕の可動範囲を発症前の状態までに戻せるかどうかは、痛みが緩和した後のリハビリ次第だが、多くの場合発症前の状態には戻りにくい。
肩こり
肩だけでなく、首も凝ることが多い。「肩が張る」とも言う。
同じ姿勢をとり続けるなどして頭や腕を支える僧帽筋やその周辺の筋肉(肩甲挙筋・上後鋸筋・菱形筋群・板状筋・脊柱起立筋)
の持続的緊張によって筋肉が硬くなり、局所に循環障害が起こる。
それによって酸素や栄養分が末端まで届かず、疲労物質が蓄積しこれが刺激となって肩こりを起こすと考えられている。
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